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友安昌幸 - 合同会社アミコ・コンサルティング

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目次

半導体製造装置市場の現状と成長見通し

半導体製造装置市場は2025年に向けて力強い成長を続けています。2024年の市場は前年比6.5%増の1130億ドルに達し、過去最高を記録しました。この成長は前工程および後工程の両面で持続しています。

私が半導体製造装置開発に携わってきた38年の経験から見ても、現在の市場拡大は特筆すべきものです。2025年には1210億ドル、2026年には1390億ドルと、市場規模は更新され続けると予測されています。

この背景には、生成AIの急速な普及によるデータセンター需要の拡大があります。また、経済安全保障の観点から半導体を戦略物資と位置づける各国政府の支援策も市場を後押ししています。

特に注目すべきは、2024年8月の世界半導体売上高が前年比+28.0%の561.6億ドルと、2022年3月の545.5億ドルを抜いて過去最高となったことです。AIムーブメントとシリコンサイクルの上昇局面が重なり、AI関連半導体の需要が急拡大しているのです。

2025年に向けた半導体製造装置市場の成長予測グラフ

では、この成長市場において、今後の展開を左右する主要トレンドとは何でしょうか。また、半導体製造装置メーカーはどのような戦略で市場シェアを拡大していくべきなのでしょうか。本稿では、半導体製造装置市場の10大トレンドと、それに対応する成長戦略について詳しく解説します。

トレンド1: AIチップ需要の爆発的増加

2025年の半導体市場を牽引する最大の要因は、間違いなくAIチップ需要の爆発的増加です。世界半導体市場統計(WSTS)によれば、2024年の世界半導体市場は前年比16%増と予測されており、2025年はさらに11.2%の成長が見込まれています。

特にGPUなどのAI関連半導体は市場を大きく牽引しています。データセンター投資やAI機能搭載端末の増加により、高性能チップの需要は今後も拡大の一途をたどるでしょう。

半導体製造装置メーカーにとって、この需要増加は大きなビジネスチャンスを意味します。AI半導体の製造には、より高度な微細加工技術が求められるためです。

具体的には、EUV(極端紫外線)リソグラフィ装置や先端エッチング装置、高精度検査装置などの需要が急増しています。これらの装置は一般的な半導体製造装置と比較して高額であり、装置メーカーの収益向上に大きく貢献しています。

最新のAIチップ製造プロセスと使用される半導体製造装置

また、AI半導体の製造には従来よりも多くの工程が必要となるため、一つのウェハーあたりの装置使用回数が増加します。これにより、装置メーカーの売上は単純な半導体生産量の増加以上に拡大する可能性があります。

半導体製造装置メーカーは、この需要を取り込むために、AI半導体製造に特化した装置の開発・販売を強化すべきです。特に、消費電力効率や歩留まり向上に貢献する装置は、顧客からの需要が高まると予想されます。

トレンド2: 経済安全保障と地域分散化の加速