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友安昌幸 - 合同会社アミコ・コンサルティング
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米中対立が深まる中、半導体産業は大きな転換点を迎えています。2018年に貿易摩擦から始まった両国の対立は、今や経済安全保障の中核課題となり、特に半導体分野では技術・製品・工場の囲い込み競争が激化しています。
かつて「産業のコメ」と呼ばれた半導体は、今や「戦略物資」へと格上げされました。両国の覇権争いの最大の焦点となっているのです。
米国はトランプ政権時代から対中輸入に高関税を課し、バイデン政権でもその政策は継続されています。さらに輸出規制も強化され、先端半導体技術の中国流出を防ぐ動きが加速しています。
この状況を単なる「衰退の始まり」と見る向きもありますが、実はそうではありません。米中対立は半導体産業に新たな成長機会をもたらしているのです。

韓国の事例を見てみましょう。米中対立の狭間に立たされた韓国は、半導体強国としての地位を維持するために積極的な戦略を展開しています。韓国政府は「半導体超強大国達成戦略」を打ち出し、5年間で340兆ウォン以上の投資と10年間で15万人以上の人材育成を目指しています。
サムスン電子やSKハイニックスといった韓国企業は、中国での生産を維持しながらも、米国市場への対応を強化。この「両にらみ戦略」が韓国半導体産業の新たな成長を支えているのです。
あなたは今、この産業の大転換期に立ち会っているのです。
米中対立は、各国政府による半導体産業への空前の投資ブームを引き起こしています。米国のCHIPS法、EU半導体法、日本の経済安全保障推進法など、世界中で半導体産業支援策が次々と打ち出されているのです。
これらの政策は、単なる保護主義ではありません。サプライチェーンの強靭化と技術革新の加速を目指す戦略的投資なのです。
特に注目すべきは、この対立が新たな技術革新の契機となっていることです。従来の技術的依存関係が見直され、代替技術の開発が急ピッチで進んでいます。

TSMCの事例は特に象徴的です。米中対立の中で、台湾に本拠を置くTSMCはアリゾナ州に650億ドル規模の工場建設を進めています。これは単なる生産拠点の移転ではなく、技術革新と市場拡大を見据えた戦略的判断なのです。
世界の半導体市場は2015年以降、増加傾向にあります。2022年半ばに需要にブレーキがかかったものの、2023年後半からは緩やかな回復が見られています。
この成長を支えているのが、AI・データ分析技術の進化です。半導体製造プロセスの最適化、品質管理、効率化などの領域で、AIの活用が急速に広がっています。
どう思いますか?対立が新たなイノベーションを生み出す触媒になっているのではないでしょうか。