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友安昌幸 - 合同会社アミコ・コンサルティング

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目次

DDR4生産終了の衝撃 - 半導体業界に吹く新たな風

半導体業界に大きな転換点が訪れようとしている。Samsung、SK Hynix、Micronといった世界の主要DRAM製造メーカーが2025年後半までにDDR3およびDDR4メモリの生産を終了する方針を明らかにした。

DDR4は2014年のデビューから10年以上が経過し、現在も市場シェアが大きいものの、そのライフサイクルは終焉を迎えつつある。この決断の背後には、HBMやDDR5など最新メモリへの需要増加と、DDR4の収益性低下という明確な理由が存在する。

一見すると、主力製品の生産終了は危機的状況に思えるかもしれない。しかし、この決断こそが半導体メーカーにとって「救世主」となる可能性を秘めている。38年にわたる半導体製造装置開発の経験から、この業界転換が持つ本質的な意味を掘り下げていきたい。

DDR4生産終了の背景 - 市場構造の根本的変化

DDR4生産終了の背景を理解するには、半導体業界が直面している市場構造の変化を把握する必要がある。この決断は単なる製品サイクルの自然な終焉ではなく、業界全体を取り巻く複合的な要因によるものだ。

まず注目すべきは、Samsung、Micron、SK Hynixの3社が2025年後半から2026年上半期にかけて生産を完全に停止する計画を進めている点である。特にSamsungは2025年6月までに新規受注を停止し、同年12月までに主力モジュールの生産・出荷を完了させる計画だ。

DDR4からDDR5への移行を示す半導体製造ライン

この背景には以下の市場要因が存在している。

これらの要因が複合的に作用した結果、大手メーカーはDDR4から撤退し、より収益性の高い最先端メモリへと経営資源をシフトする決断に至ったのである。この決断は短期的には混乱をもたらす可能性があるが、長期的には半導体業界全体の健全な発展につながる可能性を秘めている。

シリコンサイクルと半導体不足の関係性

半導体業界には「シリコンサイクル」と呼ばれる3~4年周期の好不況の波が存在する。このサイクルは世界経済の動向に先行する特徴を持ち、業界の生産計画や投資判断に大きな影響を与えている。